本屋で本を探せない!
「この本が欲しい!」と思った時、人はまずどこに向かうのだろうか。
私は断然本屋である。
本屋にふらっと立ち寄り、なにかセンサーにひっかかる本は無いかと見て回っているとそこはまるでスイーツビュッフェのようで毎回ワクワクとした気持ちになる!
しかし、本屋で目当ての本を探すという行為は至難のものだと気づいたのはつい最近の出来事。
ピンポイントで一冊の本を探すとなると、そこは心躍るスイーツビュッフェから広大無辺なジャングルへとたちまち姿を変える。
ひとつの本を求めて色々な本屋に赴き、棚を渡り歩き、それでも見つからない時の徒労感は本を読む人なら覚えのある経験なのではないか。「本屋で目当ての本って探せないよね〜」と家族や友人に話すとやはり共感されるので、この感覚は案外みんなが抱えているものなのだと知って少し安心した。
改めてこんなことを考えるようになったのは、つい最近の本屋での経験によってである。
というのも、私はスイーツビュッフェのように本屋さんをるんるんと見て回っていた時に、『センス入門』という松浦弥太郎氏の書いた本と出会った。
この本にいたく感銘を受けた私は、松浦弥太郎氏の著書をもっと読みたいと考えたのだが、私がいつも行く本屋では残念ながら見つけることが出来なかったのだ。(しかし、外出先に立ち寄った書店で読みたいと思っていた同氏の『いちからはじめる』『伝わるちから』が平積みされており、無事に出会うすることができた。ここ最近の本屋での出来事で一二を争うくらい嬉しい経験!)
本との出会いは一期一会であるから魅力的だと感じるが、いざこの本だ!と決め打ちして本屋さんに行くと空振りをしてしまうことが多いのだ。
私がインターネットで本を注文した経験は今まで両手で数えられるほどなのだが、近頃は割とすぐにAmazonや楽天で購入することが増えた。
書店の数がここ数年どんどん減っているというニュースを耳にするが、それに反比例するように本をネットで買うという人は私のようにさらに増えていくのだと思う。
それでも、目的なく本屋を歩き回る時間は人生で好きな時間ランキングでも上位に入る時間なので、本屋の減少に歯止めがかかってくれたらこの上なく嬉しい。
私のように感じる人は世の中にもっと存在すると思うので、きっとこのアナログな体験が淘汰されることは無いと思うが、AIをはじめとしてさらなるデジタル化が加速する世の中は果たしてどのように移り変わっていくのだろうか。