最近観た映画について。「カサブランカ」ほか
やっと最近、映画を楽しめるようになってきた。そして、文学も面白く感じてきた。常々情緒が未熟だと感じている身としては、少しずつ成長できている気がする。
有難くも周りには映画好き・読書好きが集まっているので、彼らのおすすめを聞き、興味のあるものを片っ端から触れようと試みている。（いずれは興味がそこまでのものにも挑戦していきたいが）
ということで今回は最近観た映画についてつらつらと書いてみる。（本当は本のことも書きたかったのだけれど、映画だけで結構な文字量になってしまったのでまた次回）
私が最近観た映画たち
英語の授業内で取り上げられたので少しだけ知っていて、ずっと気になっていた作品。Amazonプライムにあったので観ようとするも、集中できず一度は断念。すると、先日日比谷で行われた屋外映画上映会にて上映されると知り、足を運んだ。
大きなスクリーンに良い音響、秋空の下観るカサブランカ。あまりに幸せなひと時だった。「As Time Goes By」がこんなに甘く響き渡る曲だとは思わなかったし、なんてことない一シーンで涙がこぼれてしまうほど、美しい映画だった。
心の浮き沈みが酷く、感情に振り回されて苦しかった時に何気なくネットフリックスで視聴。もともとミュージカル映画は好きだけれど、ここまでエネルギッシュな作品があるのか！と衝撃を受けた。歌とダンスの蠱惑な世界に圧倒されて、悩みも吹っ飛んでいった。「映画で救われる」とはまさにこの感覚か、と掴めたような一瞬。
・レオン
学校で会話に上がったのでチェックしていた作品。重めだけど感動的な作品が観たくてネットフリックスで視聴。話の展開より作品の雰囲気より、何より『It's Always Fair Weather』が登場するとは思わなかった。大好きなジーン・ケリーのタップダンスをレオンと共に味わえたあの一瞬のために、何度も観たくなってしまう作品だ。「I like myself」にある "She likes me, so so do I !"という歌詞が主人公の感情を表しているような気がした。
・男と女（Un homme et Une femme）
午前十時の映画祭でこの作品がかかると知ってからずっと楽しみに過ごしていた。どうにか早起きして新宿のTOHOへ向かうと、そこには人生の先輩方がたくさんいらっしゃって、私だけ浮いているな…と思うなど。正直に言うと、眠気が勝ることが何回かあり、途中途中舟をこいでしまった。
カラー、モノクロ、セピア、降りしきる雨、スキャットの声、夢よりも夢らしい時間だった。この作品でアイコニックなのは男女が見つめあう甘美な1シーン。朝から見るには刺激的になることを覚悟して行くも、拍子抜けするほど健全だったので驚いた。だからこそ、最後のベッドシーンの静けさと切なさが際立って見えた。なるほど、だからこのシーンがトップに使われるのか。
・女は女である
ゴダールを通らずにはいられないだろう、と思いつつも難解な作品が多く、観られる配信サイトも限られているので悩んでいたところ、Amazonプライムでこの作品を見つけた。そこまで長くもないしサクッと観れるだろうと視聴開始。シュールで常識離れした演出に面食らうけれど、「登場人物が歌わないミュージカル映画」ということで、すぐに馴染んでいった。男と女の面白いほどのすれ違いかたは今も面白いし、60歳過ぎればより面白く感じられるだろうな、と思った。
改めて書き連ねるとやっぱり自分の趣味が浮き彫りになっている。これらの鑑賞体験を通して知ったのは「分からないも楽しい」ということ。今まで映画といえば、分かり易くエンタメで面白いものだとばかり感じていた。でも、こんな風に映像の美しさや登場人物の感情の動きにただ身をゆだねて、分からずとも味わうというのも素敵だなと知ることができた。
これからも新作映画を観たり名画座に行ったり気になる作品を配信で見たりと映画に触れていこうと思う。ああ、家にホームシアターを作りたい……
