喫茶店と日常

喫茶店とジャズと食べることが大好きな人間のちょっとしたつぶやき。

人の好きなものを知ることが好き

 2023年が終わり、SNSはてなブログでも「ベストバイ」「ベストコスメ」「読んで(観て、やって)よかった○○10選」という内容をよく見かけた。

 私は人の好きなもの、やってよかったと思うことを知ることが好きだ。SNSでも反応数が多かったり、はてなの「週間人気記事ランキング」でこういう内容の記事がランクインしていることから、おそらく多くの人もこういう記事を読むのが好きなのだと思う。

 「自分が知らない、新しいものとの出会い」を求めて記事を開く。そこで見かけた内容を軽く頭に留めておくと、またどこかで話を聞いたときに点と点が線でつながる感覚が結構好き。そして何より「誰かの好きなものを知ること」が好きなのだ。好きなもの、その理由にはパーソナリティが表れる。誰一人として100%同じ理由はなくて、その人の人生が反映される。それを知ることが面白い。生活の一部を垣間見ることができるのがワクワクする。

 最近就活をしていて、自分の好きなもの、ことの良さを相手にも「良い」と思ってもらえるように伝えることの難しさを痛感した。「なぜそれが好きなんですか?」「なにを伝えたいですか」という問いに対して、意見を述べることができなかった。
 「好きなもの」というのは世界に溢れていて、どれも愛しくたまらなく「好き」なのに、その感覚を言語化し伝えることが本当に難しいのだ。そもそも伝えようとも思えていないのかもしれない。自分の感性が喜んでいさえすればそれで良い、と思っていたのだと思う。

 そして「ベスト○○」が好きな割に、自分でその記事を書こうと考えたことってあまりなかった。ベストを選出できるほどたくさん触れた・買ったものがないからという理由もあるけれど、それにしても「これが一番良かった!」と選べるほどその対象に対して深く考えたり、感じたりしていなかったのかもしれない。

 もっと高尚なことを考えなければ、発信しなければと自分の中で葛藤していたのだけれど、一足飛びにそのステージへ上がることはできない。地道に、自分の「好き」「感性」「日常」と向き合うことが、誰かにとっての「好き」「面白い」「楽しみ」につながるのかもしれない。そう考えたら、気が楽になった。

 2024年はブログで何を書こうかずっと悩んでいたのだけれど、ささやかだけれど「良い」と感じたことへの深堀りや、相手にも伝わるような客観的視点を身につける場所にしていきたいな、なんて。改めまして、今年もよろしくお願いいたします。

お正月、出先で訪れた喫茶店。とってもかわいいカップソーサー。