喫茶店と日常

喫茶店とジャズと食べることが大好きな人間のちょっとしたつぶやき。

ジュエリーショップへの憧憬

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「心に残る店員さんとのお買い物エピソード」とのことで、1番に浮かんできたのがジュエリーショップでの出来事です。(といってもしがない学生の身、"買い物"をしたわけではなく、お題とは少しズレてしまいますが。)

去年の夏のことです。私はデパートの近所にある喫茶店で働いていて、そこでは従業員の方がよくお昼休憩にいらしています。ある日、すごく素敵なアクセサリーを身につけていらっしゃるお客様がおられました。温かみのある照明の光を反射し煌めく耳飾りと首飾りに目を奪われ、「そのアクセサリー、素敵ですね。」と思わず声をかけてしまいました。すると「ありがとうございます。うちのお店で取り扱っている商品なんですよ。」と丁寧に応えてくださりました。お昼時で忙しない中、深くお話することも叶わずそこで会話を切り上げてしまいました。お帰りの際、お会計を担当したタイミングで「もし差し支えなければ、どちらで働かれているのですか?」と意を決しお伺いすると(お昼時を過ぎ、少し落ち着いていました)今週いっぱいまで近くのデパートでポップアップをやっていると教えていただきました。

茶店のいち店員に対してにこやかに応えてくださった優しさや、その品の良さをぐっと引き立てるアクセサリーが忘れられなくて、退勤後そちらのお店に伺いました。

すぐにジュエリーを買えるわけでもなく、悪く言えば冷やかしになってしまうのですが、このようなご縁がなければお店を覗くこともないだろうなと眩しいアクセサリーの数々を眺めていると先程の店員さんがいらっしゃいました。

「来てくださったんですね、ありがとうございます。良かったらそのネックレス着けてみますか?」と。着けるだなんて恐れ多い…と戦々恐々としつつ、せっかくなので着けていただきました。ダイヤモンドが首元で輝いているさまを鏡で見ると、ぴんと背筋が伸びる感覚がして。このネックレスに見合う品と余裕を身につけたい、と強く思いました。ジュエリーの存在意義ってこういうことなのかもしれない。加えて、どのような想いの込められた商品なのか解説してくださり、ジュエリーの奥深さを体験する貴重な機会になりました。

そのブランドは目が飛び出るほどの値ではなく、ぐうっと背伸びしたら手の届きそうで。「きっとこのアクセサリーが相応しい女性になる」と心に誓いました。そして、はじめて値の張るアクセサリーを買う時はこのブランドにしようと決めました。

あのときの店員さんの優しさと心遣いがずっと心に残っています。